へっぽこサラリーマンの僕が初めてイノシシを獲った日の後編になります。
・・・
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色々なことを考え…
「はい。やります。」
・僕が初めてイノシシを獲った日~寝屋撃ち~
茶色の点線がけもの道。青い点が立間です。
いない…。
友人「気配なし…。」
数ヶ月山に通ったかいがあった。後は立間が仕留めてくれれば…!
(勢子の役目も終わったかな…。)
あれ?今ってそのシチュエーションじゃないか?
反対側だ…。
そんな事を考えながら少し歩き、上から崖を覗いてみると…
あの時は血痕があったのに山を超えられていた…。
崖を降りるという連絡を入れて下っていきます。
アドレナリンが出ていて僕が無茶をするもの分かっているようでした。
フーフー息を切らす僕をなだめるように続けます。
先輩「大丈夫。こっち獲れたよ。」
その気持を抑え…戻ることにしました。
・僕が初めてイノシシを獲った日~崖登り~
木を持たないと登れない傾斜。
先輩の予感は当たっていました。
降りる時も木に向かってジャンプしながら降りた崖。
登るのはもっと大変でした。
地面はぬかるみ、傾斜はきつく、這ってもとても上がることは出来ません。
生えている木を支えにして、自分の持っている木の少し高い位置の木にしがみつく。
それを繰り返してどうにか登って行きます。
「はー…はー…」15分位かけてどうにか登り切ることが出来ました。
その後は所定のルートを下り先輩たちと合流。
その場には子供のイノシシが2頭倒れていました。
「ありがとうございます!やりましたね!!」
撃ってくれた人、無線で連絡してくれた人、一緒に歩いてくれた友人、そして先輩。
すべての人に感謝を伝えました。
・僕が初めてイノシシを獲った日~落ち込む~
「やった!やった!!!初めてのイノシシだ!」
「僕イノシシ初めて見ました!」
「走っている姿、興奮しました!」
とみんなで喜んだのですが、僕が逃したイノシシがどうも気になります。
嬉しい気持ちはもちろん本物ですが、僕は落ち込んでいました。
「くっそ…」
(もう少し早く気づく事が出来れば…?もっと上手に撃つことが出来れば…?)
(やはり先輩が勢子をしていれば…?友人が前を歩いていたら…?)
色々な後悔が頭の中をグルグルと回ります。夢に出てきてうなされそうです。
・・・確かにイノシシは叫び声をあげていました。
その事を先輩に伝えると、友人も大きな声を聞いたと言います。
僕ら二人があまりに言うので「それならば」と、反対の崖の下を捜索することになりました。
捜索にはワンコも加わり、痕跡がないか猟隊みんなで探しました。
しばらく歩き、ちょうど寝屋の反対側を捜索していると犬がスッ…駆け出します。
先輩は慌て、ついて行くと犬がひと吠え。
「ワン!」
次の瞬間
バン!!!!
強烈な発砲音がこだまします。
慌てて駆け寄ると、僕が逃したイノシシが倒れていました。
溝にハマってモゴモゴしていたのです。
犬が見つけ逃げようと藻掻くイノシシに先輩がとどめ矢を撃ってくれていました。
先輩「おにおに君!血抜き!」
急いで剣鉈を取り出し血抜きをします。
胸鎖関節のあたりから心臓に向けてクザッ。
硬いタワシのような毛を突き破りズズズッっと剣鉈が入っていきます。
27cmもある剣鉈がヒルトの部分まで全部入ったくらいで…ドバッと血が溢れ出しました。
(・・・)
(やった!ついにやった!)
(やっぱり当たってたんだ!)
今までの苦労や色んな思いがこみ上げ叫んでいました。
「うぉおおお!」
「よし!!!よぉおおおおおおし!!!!!」
・僕が初めてイノシシを獲った日~その後~
ひと吠えワンと言って逃げてきたくせに、倒れてからは必死に噛み付く犬。
いいや!良いさ、やっと獲れたな!
写真を撮ってもらう僕と横の犬の「嬉しそうだなお前って顔」
引き出してからは3頭並べお神酒をかけて拝みました。
山の恵みをありがとう。
記念撮影をして、綺麗な川にイノシシを浸け解体をしました。
解体時に分かったのですが、僕の撃った弾は腰に命中していました。
後ろ足が動かない状態になっており、前足だけで崖を転げ落ち溝にはまっていたのです。
溝からどうにか上半身だけで、逃げようともがく所にとどめを刺した形です。
立間で獲れたイノシシも合わせ、この日はみんなの力で3頭獲ることが出来ました。
解体後はみんなで酒を飲みながら語り合いました。
飲んだ酒も食べた肉は最高に美味しかった。
先輩とも一杯喋り、これまでの色々なことが報われた気がしました。
僕の力だけで獲ったイノシシではありませんが、これで僕もようやくハンターになれた気がします。
最高の思い出と共に、へっぽこサラリーマン一生忘れられない日になりました。
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