初めてイノシシのトドメ刺し。師匠に言われた6つの注意点。

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この日は初めてイノシシののトドメ刺しを経験しました。
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こんにちは。
前回は良い猟場に連れて行ってもらえたのですが、心や道具の準備が出来ていませんでした。
良い出会いやチャンスもあったのに活かせなくて先輩と意気消沈していました。
(参考:1イノシシ追うものは1カモも得ず
 この日午後から天気が崩れるらしく、後はカモの猟場を車で流しながら師匠の罠をチェックして終わろうと言う話になりました。

・罠猟師の目

この日は師匠の車の助手席に乗せてもらっていたのですが、やっぱり凄いですね。
暫く走るとキュっと車を止めて
師匠「ほら、そこにけもの道あるのわかる?」

(´・ω・`)「!?」

(´・ω・`)「んー?ああー!本当だ!確かにありますね!」
確かによく見れば草が倒れドロの面が表に出ていています。足跡もあって獣が通ったんだなって40cmくらい?の道が出来ていました。

(´・ω・`)「こういう所に罠かけるんですね?」

師匠「まぁそうなんだけど、そこの道は使われてる頻度が少ないから他にかけるかな」

パッと見ただけでけもの道があるのを見分けるのと、それがどの程度使われているのかも分かるんですね。
師匠は「直ぐに分かるようになるよ」と言っていましたけど難しいです。

罠の世界もとても深いんだなと感じました。

・くくり罠にかかったイノシシ

その後罠を見回しましたが、ハズレでした。
じゃあカモでも撃ちに行こかーそう3人で話している時に電話が…

猟師「おい、罠にかかっとるぞ。来い。」

僕らと別に師匠の先輩も別の罠の見回りをしてくれていたようでした。
急いで現場へと向かいます。
現場へと到着して少し山の中に入るとフゴフゴと大きな岩が動いていました。
前回イノシシの罠の見学をさせて貰った時はイノシシが逆さまになっていて全く動かなかったので、実際に動いているイノシシをそばで見るのは初めてでした。
(参考:ハンターマッチング制度でイノシシだ!

けもの道 2017 秋号 Hunter's autumN (三才ムックvol.969)

けもの道 2017 秋号 Hunter’s autumN (三才ムックvol.969) [ムック]
この本の写真を見て下さい。
完全にバケモノ。マジで怖いっていうのが少しでも伝わるでしょうか?

これが檻も何もない状況でこっちに敵意むき出しで睨みつけてるんです。
時々足元の土を蹴り上げ、突進するような仕草を見せます。
あたりの地系はイノシシの余りの力にくくり罠を中心としてえぐられていました。

師匠「おにおに君、今日スラッグ持ってきてるそうじゃないか。撃つか?」

Σ(゚Д゚)「え!はい!やらせてください!!

・6つの注意点

キックバネ式 くくり罠 15cmサイズ 猪・鹿激獲 GET1  イノシシ・シカ駆除

①くくり罠は外れるものと思え
くくり罠はくくられる位置などで簡単に外れてしまうんです。
指先の場合などは指をちぎって逃げたりもします。
ワイヤーも切れる事もあります。
暴れている内にワイヤーがよれて力が集中してしまい脆い部分が切れたりするそうです。
人間では不可能でしょう。イノシシ怖い。

②下から近づくな
同様にワイヤーが切れた場合の対策として、上から向かってこられたらひとたまりもない様です。
少しでも優位な位置である上から撃ちましょう。

③身体を半分木の陰に隠れて撃て
これも同様の理由で突っ込まれた際、木が身体を守ってくれます。
とっさに身を隠すことも出来ますし、木をレスト代わりにして狙えば狙う位置も安定します。

④弾は必ず2発以上入れて行け
1発でしとめられなかった場合、トドメ矢の2発目が必要になる場合があります。
それよりも大切なのがやはり上記の理由です。
師匠が始めたての頃「トドメ刺しだし1発持っていけばいいや」とスラッグを1発込めて撃ったところ撃った反動でイノシシが飛び上がりました。
その時ものすごい力が加わったのでしょう。ワイヤーが千切れこっちに向かって走ってきたそうです。
師匠は慌てて避けながら蹴りを入れるとイノシシはドーーンと倒れたそうです。
トドメ矢は効いていました。しかし、最後の力を振り絞って反撃してきたそうです。
この事から弾は最低2発。自動銃で3発入るなら入れておけと言われました。

⑤横を向いた瞬間に撃て
正面や真後ろから撃つとせっかくの美味しい部位であるロースが傷んでしまいます。
内蔵に命中させると、内臓は食べられなくなりますし糞尿が流出するとお肉も食べられなくなってしまいます。それに中々死なないので獲物を苦しめることにもなってしまいます。
美味しく食べるためにも頭を横から撃ち抜くのが理想だそうです。

⑥倒れても油断するな

撃って成功したと思っても、死んだふりをするやつがいるそうです。
これで油断して近づいて指を噛み砕かれたという事故は1年に何度か起きています。
特に注意なのが伏せの様な状態で倒れた時でいつ飛びかかってくるか分かりません。
あと、尻尾を振っている時も注意だとか…これは理由は分かりませんでした。

・いざ対峙

今までは離れたところから見ていましたが、今度は銃を持って近づかなければなりません。
トドメ刺しの後の血抜きやワイヤーを切ったりは師匠がやって下さるそうなので、僕はトドメ刺しに集中です。

A400にアポロのスラッグ弾を3発入れて近づきます。
(参考:ベレッタA400が来ました

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離れている時は僕ら全員に対して警戒をしていましたが、僕が銃をもって一人で近づいていくとイノシシの敵意が殺意になったのがなんとなく伝わってきます。
先程よりも動きが激しくなり遠くにいる他の3人には目もくれず、僕の方をジッと見ながらひたすら突進を繰り返しています。
震えましたね。かなり怖かったです。
罠にかかっているとは言え明確な殺意を向けられた経験など今までありませんでした。
野生を生きる生物と人間って同じ動物とは言え全く違う存在なんですね。

対峙しているだけで、怯んでしまいましたがフーと息を吐きくくり罠の状況を確認します。
かかっている場所は右手の前足。しっかり足首の辺りでかかっています。
これなら直ぐに外れることは無さそうなのでジッと狙いをつけます。

しかし、中々撃てません。
イノシシが僕ばっかり見て突進するような動作を繰り返しているのです。
正面から撃つと食べる所がなくなってしまいます。
困っていると他の3人がサイドから「おーおー!」とか「わーわー!!」とか大きな音を立てだしました。
イノシシも、横が気になる様子。
僕のことを警戒しながらも横目でチラチラと3人の方を見る様になりました。

僕は狙いを外さないようにジーっと待ちます。
イノシシも威嚇や突進を繰り返していたのですが、横の声がかなり気になるようでチラ見の回数が増えてきました。
師匠が「おおおおおおお!」と一際大きな声を出したその瞬間
イノシシは目だけではなく頭ごと3人の方へ…

バーン!!!!

ドサッ

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シカのトドメ刺しの見学をした時は人形の糸が切れたように足から崩れ落ちて倒れましたが、イノシシの場合は岩が転がったように倒れているように見えました。
この時僕は、最初の恐怖はどこえやら…恐ろしいほど冷静でした。
僕に任されたという使命感でしょうか?イノシシに負けるか!と言う闘争心でしょうか?
今でも分かりませんが、良いタイミングで撃てたような気がします。
まだ経験が浅いからでしょうか。撃ったあとは決まって何もと言えない気持ちになります。

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耳の下に横を向いた瞬間に当てることができました。

その後は運び出し猟師小屋での解体作業に入りますが割愛。

・アポロ製スラッグ弾の軌道

僕は銃で撃ったスラッグ弾は当たると貫通するんだ思っていました。

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こんなイメージです。

しかし、現実には弾が当たると硬い骨に当たります。
そうすると弾は潰れ散らばったり、椎体に沿って柔らかい方向へと進んだりするようです。
この日も理想の様には貫通せず以下のように散らばっていました。

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当たった部分から肩甲骨にそって1つ。椎体に沿って1つ(弾はありませんでしたが肉が傷んでいました)。逆側の肩の部分から貫通した後が1つ。
他にも上半身の肉が傷んでいる部分があったので散らばった可能性もあります。

師匠に聞くと、弾頭によって全く違うとの事。
ライフルの話でしか教えてもらえませんでしたが、ライフルだと貫通しやすい弾頭やダメージを与えやすい弾頭があるようでトドメ刺しの場合は貫通しやすいものを利用するそうです。
スラッグ弾にもあるのでしょうか?興味が湧いてきました。

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解体時に出て来た弾頭の一部。激しく変形しています。

それと同時に獲物にあたって弾道がかなり変化する事が分かりました。
矢先の確認を今まで以上に気をつけようと思います。

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60キロ以上のオンタ(オス)でした!

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ABOUTこの記事をかいた人

サラリーマンでも狩猟はできる! 2016年より第1種狩猟免許と罠免許を習得と同時にブログ開設。 空気銃のレインストームと散弾銃のBeretta A400で狩猟を楽しむ。 他の趣味は麻雀/ハースストーン/クラロワ/美味しいもの/酒